こちらの記事でわかること
エクセルやGoogleスプレッドシートなどの表計算ソフト(以下、表計算ソフト)は、手軽に使える便利な業務管理ツールです。
特に、製造・卸・小売業における生産管理や在庫管理、販売管理といった業務データを管理するうえで、身近で使いやすいツールとして活用されています。
一方で、取扱データが増えるにつれて、「このまま表計算ソフトで管理し続けてよいのか」「そろそろ限界なのではないか」と感じたことがある方もいるのではないでしょうか。
そこで、CAM’s POV編集部では、製造・卸・小売業において、実際にどれくらいの人が表計算ソフトを使い、どれくらいの人が限界を感じているのかなどについて、アンケート調査を実施しました。
本記事では、製造・卸・小売業で働く843名から得られた回答をもとに、表計算ソフト管理の利用実態や限界を感じるポイント、システム化したい業務について5つの設問ごとに見ていきます。
今回のアンケートは、以下のとおり実施しました。
設問内容:以下の5項目で構成しています。
単に「表計算ソフトを利用しているかどうか」だけではなく、現在の管理方法に限界を感じているか、今後も継続できると考えているか、どのような部分に限界を感じているのかまでを段階的に把握できる設問構成としています。
また、表計算ソフトで行っている業務のうち、どの業務をシステム化したいかについても調査しており、製造・卸・小売業の現場における業務管理の実態や課題を確認できる内容となっています。

「Q1. 現在、業務管理に表計算ソフトを利用していますか?」への回答は、「まったく利用していない」が53%でもっとも多い結果となりました。
一方で、「すべての業務で表計算ソフトを利用している」は14.7%、「一部の業務で表計算ソフトを利用している」は32.3%となっています。合計すると47.0%となり、約半数が何らかの業務管理に表計算ソフトを利用していることが分かります。
また、「すべての業務で表計算ソフトを利用している」よりも「一部の業務で表計算ソフトを利用している」の割合が高く、表計算ソフトは業務全体ではなく、一部の管理業務で利用されているケースの方がが多いことが分かります。
この結果から、表計算ソフトは製造・卸・小売業の現場において、現在も身近な業務管理ツールとして使われていることがうかがえます。

続いて、「Q1. 現在、業務管理に表計算ソフトを利用していますか?」で、「すべての業務で表計算ソフトを利用している」または「一部の業務で表計算ソフトを利用している」と回答した計396名に対して、「Q2. 現在の表計算ソフト管理に限界を感じていますか?」と尋ねたところ、「感じている」が52.3%、「感じていない」が47.7%という回答結果になりました。
表計算ソフトを利用している人のうち、半数以上が現在の管理方法に限界を感じていることが分かります。
一方で、「感じていない」と回答した割合は47.7%となっており、表計算ソフト管理に対する評価はほぼ二分されています。
この結果から、表計算ソフトは業務管理ツールとして一定の役割を果たしている一方で、実際に利用している人の中では、現在の管理方法に課題を感じている層も同程度いることが分かります。

続いて、「Q1. 現在、業務管理に表計算ソフトを利用していますか?」で、「すべての業務で表計算ソフトを利用している」または「一部の業務で表計算ソフトを利用している」と回答した計396名に対して、「Q3. 今後、業務量や取扱データが増加した場合でも、現在の表計算ソフトでの管理を継続できると思いますか?」と尋ねたところ、「継続できる」が70.7%、「継続できない」が29.3%という結果になりました。
「Q2. 現在の表計算ソフト管理に限界を感じていますか?」で、「感じている」と回答した割合が52.3%でした。一方で、このQ3では、今後、業務量や取扱データが増加した場合でも「継続できる」と回答した割合が70.7%となっています。
この結果から、現在の表計算ソフト管理に限界を感じている人が一定数いる一方で、今後も現在の管理方法を継続できると考えている人の方が多いことが分かります。

続いて、「Q2. 現在の表計算ソフト管理に限界を感じていますか?」で「感じている」と回答した207名に対して、「Q4. 表計算ソフト管理でどのような部分に「限界」を感じますか?」と尋ねました。
もっとも多かった回答は「集計作業に時間がかかる」で30%でした。次いで、「入力ミスが発生しやすい」が21.3%、「属人化している」が17.4%、「データ量が増えて管理しづらい」が15.5%と続いています。
また、「情報共有がしづらい」は10.1%、「リアルタイムで状況を把握できていない」は5.8%という回答結果でした。
この結果から、表計算ソフト管理における限界は、単にデータを入力することではなく、集計作業や入力ミス、属人化といった運用面に多く表れていることが分かります。特に、集計作業に時間がかかるという回答がもっとも多く、データを管理するだけでなく、必要な情報として整理・活用する段階で負担が生じていることがうかがえます。

最後に、「Q1. 現在、業務管理に表計算ソフトを利用していますか?」で、「すべての業務で表計算ソフトを利用している」または「一部の業務で表計算ソフトを利用している」と回答した計396名に対して、「Q5. 表計算ソフトで行っている業務を最適化できるシステムがあれば、どの業務をシステム化したいですか?」と尋ねました。
もっとも多かった回答は「在庫管理業務」で38.4%でした。次いで、「受発注業務」が31.6%、「売上管理業務」が30.6%、「生産管理業務」が25.5%と続いています。
また、「顧客管理業務」は19.2%、「勤怠管理・給与計算業務」は15.4%、「原価管理業務」は15.2%、「経理・会計業務」は14.4%、「その他」は6.8%という回答結果でした。
この結果から、表計算ソフトで行っている業務の中でも、在庫管理業務、受発注業務、売上管理業務といった、モノの流れや取引に関わる基幹業務をシステム化したいと考える人が多いことが分かります。
今回の調査から見えてきたのは、表計算ソフトが製造・卸・小売業の現場で、今も業務管理の手段として広く使われているという実態です。手軽に使え、現場ごとの運用に合わせやすい点は、表計算ソフトの大きな強みと言えます。
一方で、「集計作業に時間がかかる」「入力ミスが発生しやすい」「属人化している」といった回答が上位に挙がったことから、業務量や取扱データが増えるにつれて、現在の管理方法に負担を感じ始めている人も一定数いることがうかがえます。
システム化したい業務として上位に挙がった在庫管理業務、受発注業務、売上管理業務などは、モノを扱う企業にとって、日々の業務だけでなく、企業の業績に直結する最重要領域です。
これらの業務で表計算ソフト管理に限界を感じている場合は、表計算ソフト中心の個別管理から、業務管理に特化したシステムを活用し、業務や部署を横断的に管理する体制へ移行するタイミングなのかもしれません。