「ヒトにしかできない仕事に集中するためキカイに任せる」という発想

「ヒトにしかできない仕事に集中するためキカイに任せる」という発想

Summary

こちらの記事でわかること

  1. 01.DXは歴史の延長線上に位置する当然の帰結である
  2. 02.現代において手書きで本を作る人や馬で移動する人がどれだけいるのか?
  3. 03.人は何のために働くのか?
  4. 04.まとめ
01

DXは歴史の延長線上に位置する当然の帰結である

DX(デジタルトランスフォーメーション)の本質は、デジタルなツール・技術を導入することが目的ではなく、そうしたツール・技術の導入や利用を以って、社員の働き方をより良いものにし、また顧客への価値提供を向上させることに資する取り組みであるとウェビナーではご紹介しました。

DXという言葉自体は2000年代に登場し、昨今では猫も杓子もDXという状況にありますが、よくよく考えてみれば何か新しい技術が発明されたことで人々の暮らしが劇的に便利になっていったという現象は、有史以来人類は何度も遭遇してきました。原始における土器や石器、グーテンベルクの活版印刷、産業革命におけるアークライトの水力紡績機やワットの蒸気機関、フォードの車、そして現代のIT技術等です。DXとは連綿と続いてきた歴史の延長線に当然に位置し、次代の新技術への橋頭堡になると考えるのが自然ではないでしょうか。

02

現代において手書きで本を作る人や馬で移動する人がどれだけいるのか?

当たり前の話ですが、印刷技術が生まれて人は手書きで本や書類を一から作る必要はなくなりました。また、車・電車・飛行機のおかげでどこでも自由に早く移動できるようになりました。そして、ひと昔前であればFAXやワープロが登場した時には人々の仕事や暮らしを大変便利なものにしてくれました。しかし、今はインターネットが発達し世界と瞬時に繋がることができます。昨今ではクラウドコンピューティングに代表されるように、インターネットさえ繋がっていればあらゆるデバイスでデータのやり取りや連携、コミュニケーションも取れる時代となりました。その結果、ひと昔とは比べ物にならない程情報伝達の速度が向上し、ヒト・モノ・カネといった経営資源が頻繁に移動し、こうした状況の変化を読み取り、行動した人や組織が多くの利益を享受できていることは周知の事実です。その現代において、業として手書きで本を作ったり、馬での移動を習慣とする人がどれだけいるのでしょうか。

何も利益やおカネが全てとは思いませんし、一つの趣味としては手書きの本も乗馬も風情があって良いものだと思います。しかし殊ビジネスにおいては、歴史が証明しているようにその時代にそぐわない方法にいつまでも固執していては厳しい生存競争に無防備な状態で突っ込むことになり、いずれ淘汰される運命にあるということを想像することが大事です。IT、システム、そしてDX…。デジタルが必ずしも人々を幸せにするとは限りませんが、便利にする道具であること、そしてこの便利な道具を取り敢えず使ってみる、使い倒していくという腰の軽さこそが、環境の変化の激しい現代において自社ビジネスの発展を助けるものであることは間違いないと思います。

03

人は何のために働くのか?

今こそ考える「自社の本当の価値」の冒頭で、ビジネスの本質は「顧客に価値を提供すること」にあると紹介しましたが、顧客でなくとも誰かに価値を提供すること、そして価値を提供するからこそ、それに見合った対価を得られることはいつの時代も変わらないでしょう。

「おカネや生活のために働く」「遣り甲斐や人格形成のために働く」等、働く目的や意味については十人十色ですが、昔は価値があったとしても今の時代にもはや無価値となったものをさも価値のあるように見せ続け、その結果対価を得たとしても、それは誰かに本来の価値を提供したということにはならず、本当の意味で仕事をしたということにはならないということです。理想を言えば、誰がやっても同じ価値である仕事は可能な限りキカイやロボットに任せ、価値を感じてもらえる付加価値の高い仕事に集中することです。

価値を感じてもらえる仕事が、人と人との血の通ったコミュニケーションにあるのであれば、このご時世であっても対面的な営業を継続するのも一つの手段ではあると思います。しかし、営業の周辺業務までもアナログ的であったり、若しくは属人的な方法であるにもかかわらず、それを放置することは非効率以外の何物でもありません。そうした状況を見かねた間接部門のある人が「営業の周辺業務を効率化するためにツールを導入しましょう」と社内で提案し、DXを実現できたならその提案した人は営業部門に対して価値ある仕事をしたということになるでしょう。一方で、昨今はコロナ禍という「強制イベント」によって、対面でのコミュニケーションがはばかられる状況です。そうした状況にもかかわらず、迷惑そうにする顧客のもとへお構いなしに突撃し、対面での提案にこだわる営業は価値どころかマイナスイメージしか提供できていません。この場合の価値とは、対面でも非対面でも状況やニーズに応じてコミュニケーション手段を使い分けることであり、その用意をしておくということです。

また、業種・業態・役職にかかわらず「この仕事は自分にしか出来ない」と、頑なに仕事を握しめ決して離さない人がどの会社にもいます。プライドを持って仕事をすることは素晴らしいですが、「自分にしかできない仕事」等というものは会社の持続的成長のためにあってはならないものです。むしろ自分がいなくても仕事が回るように、その仕事を平準化していく、そのためのノウハウを他の社員に伝えたり教育したりして属人化から解放させる、そしてその教えた仕事がしっかりできているかをマネジメントしていく…こういう取り組みこそがあなたが誰かに提供できる確かな付加価値ではないでしょうか。

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まとめ

筆者の考えも飽くまで一個人の意見であり、DXへの是非や働く目的等は最終的には人に依ることは言うまでもありません。

しかし、歴史を振り返り自身や自社の立場に置き換えることで、自分がどういう行動パターンを取ろうとしているのか?その結果どうなりそうなのか?を客観的に見つめなおす良いきっかけになるでしょう。そういう考えるきっかけを与えてくれた意味でも、筆者としてはウェビナーに参加できて良かったと思います。当社のクラウドERPシステム「キャムマックス」もDX化のお役に立てるツールではありますが、まずは意識的なところから見つめなおす、そうすることでスポット的な問題・課題に直面しても一本芯の通った考えを持って対処していくことができるでしょう。